
「坂東三十三箇所」とは、関東一円(神奈川県、埼玉県、東京都、群馬県、栃木県、茨城県、千葉県)に点在する三十三の観音霊場を指します。「西国三十三箇所」と「秩父三十四箇所」とともに「日本百観音」を構成しています。鎌倉時代に熱心な観音信者だった源頼朝によって発願され、源実朝によって制定されたと言われていますが、そのモデルになったのは西国三十三箇所の巡礼でした。僧によって始められ後に民衆に広がった他の巡礼地と違い、当時の政治権力者によって定められた経緯があります。第一番札所は神奈川県鎌倉市の杉本寺で、最終札所は千葉県館山市の那古寺となり、全行程は約1300キロとされています。札所には番号がふられていますが、番号通りに回ると無駄の多い道程になってしまうことから、坂東札所霊場会の公式見解では、特に回る順番は決められておらず、自由な順序で回ることを推奨しています。すべてのお寺を巡礼し終わると、長野県の善光寺と北向観音にお礼参りすることが慣わしです。宗教的にはお寺は真言宗と天台宗が中心となっています。関東一円という非常に広範囲に点在している為、全行程は四国巡礼に匹敵します。四国はその行程で八十八箇所を巡るのですが、坂東は三十三箇所と数の上では少ないことから、徒歩で一度に回り切るにはかなりの精神力が必要となるでしょう。巡礼は自家用車やレンタカーで行われるのが多いようですが、もちろん公共の交通機関を利用したりバイクや自転車で回っている人も多くいます。四国、西国、秩父、坂東、どの巡礼地にも共通して言えることですが、順番通りに回らない場合は、どんな順番で回ってゆくかの計画を立てなければなりません。この計画を立てる楽しみが一番味わえるのは、実はこの坂東三十三箇所ではないかと思います。