■埼玉県秩父市内を中心とした霊場群

「西国三十三箇所」と「坂東三十三箇所」とともに「日本百観音」の一角を成すのが「秩父三十四箇所」です。名前からも明らかなように埼玉県秩父市を中心に集まっています。観音の化身の数は33にもかかわらずこの秩父だけが34です。なぜでしょうか。それは西国、坂東合わせてすべて回った際にキリのいい数字である100の方がいいだろうということで、後述するように最後発の秩父だけが34になったそうです。四国巡礼や西国巡礼に比べれば秩父三十四箇所巡礼の歴史は比較的新しいようで、文暦元年(1234年)というのが代表的な説のようです。伝承では13人の権者(妙見大菩薩、閻魔大王、善光寺如来、徳道上人、白河法皇など)が巡礼を始めたのが最初とされていますが、実際には鎌倉幕府制定で首都機能が鎌倉に移ったことで、すでに僧の間で定着していた西国や坂東の霊場巡りの様子がこの地方に伝えられ、独自に始めたのではないかとされています。庶民の間で広く巡礼が行われるようになったのは、やはり江戸時代からのようです。第一番札所は秩父市内の四萬部寺、最終札所は埼玉県皆野町の水潜寺となり、曹洞宗のお寺が多いです。本尊は「聖観音」がもっとも多く21の寺、次いで「十一面観音」が6の寺、「千手観音」が3の寺、「如意輪観音」が2の寺、「馬頭観音」と「准胝観音」がそれぞれひとつの寺となっています。私は知りませんでしたが、秩父の三十四箇所を回り終えた後は、長野県の善光寺に参ることが慣わしとなっているそうです。秩父三十四箇所は範囲がそう広くないことから、マイカーを使った一日での巡礼、一泊二日程度をかけて自転車を使ったサイクリングを兼ねた巡礼が多くなされている印象を持っています。

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