
巡礼地としては一番有名で人気のある四国八十八箇所よりも歴史が古く、四国に次いで参拝者の多い巡礼地が西国三十三箇所です。この霊場は観音霊場で、観世音菩薩が変身する三十三の姿が「三十三」の由来になっていると言われています。「秩父三十四箇所」と「坂東三十三箇所」と合わせ「日本百観音」と言われています。近畿地方の2府4県(兵庫県、大阪府、京都府、奈良県、滋賀県、和歌山県)と中部地方の岐阜県にまたがるとても広い範囲をカバーしています。和歌山県東牟婁郡の青岸渡寺を第一番札所とし、岐阜県揖斐郡の華厳寺が最終札所となります。四国の場合と違い、順番通りに回ろうとすると近畿地方をジグザグに移動することになります。西国三十三箇所の巡礼の意味は、観音霊場であることからもわかるように、お参りすることによって現世での罪業を消し、極楽往生できることを願うことです。その歴史は古く、始まりは平安時代初期で、現在の三十三箇所の巡礼霊場が確立されたのは12世紀後半であるとされています。この当時日本の都は近畿地方でした。この西国三十三箇所は当時の朝廷からの信頼も厚かったようです。庶民の間に巡礼が広まったのは江戸時代からです。西国三十三箇所は観音霊場ですから、様々な観音像が目を楽しませてくれるでしょう。「千手観音」はもっとも多く参拝できる観音像で、人形浄瑠璃『壺坂霊験記』でも有名な南法華寺など15の寺で参拝できます。次いで「十一面観音」が7の寺、「如意輪観音」が6の寺、「聖観音」が4の寺、「馬頭観音」「准胝観音」「不空羂索観音」はそれぞれひとつの寺となります。具体的な名前を挙げた南法華寺の千手観音は毎日見ることができますが、それ以外の多くの寺では本尊が(一般公開されていない)秘仏とされているため、見ることのできる機会が限られています。
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