■空海信仰を背景にもつ四国巡礼

四国八十八箇所は空海にちなんで定められていますので、その宗教的な特徴は空海の色が強く出ています。空海は真言宗の開祖ですので、八十八箇所のお寺のほとんどは真言宗のお寺です。真言宗は密教のひとつで、簡単に言うと、宇宙とのつながりを説く仏教宗派のひとつです。ではなぜ八十八箇所なのでしょうか。空海が回ったお寺が八十八だったのでしょうか。この「八十八」は人の煩悩の数と関係があるとの説があります。除夜の鐘で有名な「百八つ」の他に、煩悩は「八十八」という説です。この八十八箇所を回る間にひとつずつ煩悩が消えてゆくと信じられてきました。少しこじつけ的な気がしないでもないですが、宗教や宗派とは本来そんなものですし、あくまで説があるということです。四国八十八箇所巡礼は空海の入定信仰に支えられていますので、それを宗教的意義から行う人も、ある種の「悟り」を求めている場合が多いです。そしてこれが「自分探し」や偏見や差別によって世間から追放された人たちの心の救済への信仰に繋がっていったとしても何ら不思議ではありません。

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